神泡でお馴染みのプレミアムモルツ。なんとなく美味しそうなイメージがありますが、その味は本当にうまいのか。また「香るエール」という商品もありますが「その違いは何なの?」「どんなおつまみに合うの?」と疑問に思う人もいるかと思います。
そこで今回は実際に飲んでみた感想や評価、そして香るエールとの比較をご紹介します。
プレミアムモルツとは?
アルコール分 | 5.5% |
容量・容器 | 250ml缶・350ml缶・500ml缶 344ml瓶・500ml瓶 |
発売日 | 2003年5月20日 |
プレミアムモルツはピルスナースタイルの生ビール。
プレミアムモルツは元々1989年に「モルツ スーパープレミアム」という樽生限定で発売された商品だったそうです。その後、缶製品が限定で発売され、さらに缶と中瓶が通年販売されました。そして2003年5月20日に「ザ・プレミアム・モルツ」と名称が変更され発売されたのです。
香るエールとは?
アルコール分 | 6% |
容量・容器 | 350ml缶・500ml缶 |
発売日 | 2016年3月1日 |
「香るエール」はその名の通り、エールタイプのプレミアムモルツです。
元々は2014年5月27日に発売された「ザ・プレミアム・モルツ<香るプレミアム>」という商品でしたが、その後継として2016年3月1日に「ザ・プレミアム・モルツ〈香るエール〉」が発売されました。
プレミアムモルツと香るエールの決定的な違いは発酵酵母
プレミアムモルツと香るエールの決定的な違いは発酵酵母の違いです。ビールの製造方法は「上面発酵」「下面発酵」「自然発酵」の3種類があり、その3種類の発酵タイプから、さらに様々なスタイルに波及していきます。
「プレミアムモルツ」はピルスナーというスタイルでこれは下面発酵(ラガータイプ)です。
ピルスナースタイルとは?
1842年チェコのピルゼンで生まれた傑作で、そこの市民醸造所でつくられたピルスナーウルケルがオリジナルです。ホップの効いた爽快な香味の淡色ビールで、このタイプのビールは世界中に最も普及しており、日本の淡色ビールもこのタイプに属します。アルコール分は4.0~5.0%。下面発酵ビール。
ビール酒造組合公式サイトより
すっきりとした飲み口が特長で日本の大手ビールが発売しているそのほとんどがこのピルスナースタイルです。
次に「香るエール」ですがこれはエールタイプという種類で下面発酵タイプ。
エールタイプとは?
イギリスで発展したビールです。淡色でホップの香味を効かせたペール(Pale)エール、中濃色でホップの香味を抑え麦芽の香りを出した穏やかなマイルド(Mild)エール、これより色の濃いブラウン(Brown)エール、濃厚なエキスポート(Export)エール、ホップの苦味の効いたビター(Bitter)エール(単にビターともいう)、スコットランドの濃色濃厚のスコッチ(Scotch)エール等があります。アルコール分は2.5~5.5%。上面発酵ビール。
ビール酒造組合公式サイトより
日本ではラガータイプが一般的ですが、エールタイプは海外では馴染みのあるビールです。フルーティで奥深い独特な風味が特長です。
原材料の違い
▲プレミアムモルツの原材料
【原材料名】
麦芽(外国製造又は国内製造)、ホップ
▲香るエールの原材料
【原材料名】
麦芽(外国製造)、ホップ
原材料自体に大きな違いはありませんが、プレミアムモルツの麦芽は「外国製造又は国内製造」となっているのに対して香るエールの麦芽は「外国製造」となっています。
カロリーや成分
▲プレミアムモルツの栄養成分表示
【栄養成分表示(100ml当たり)】
エネルギー:47kcal
たんぱく質:0.4~0.6g
脂質:0g
炭水化物:3.7g(糖質:3.6g 食物繊維:0~0.2g)
食塩相当量:0~0.02g
▲香るエールの栄養成分表示
【栄養成分表示(100ml当たり)】
エネルギー:46kcal
たんぱく質:0.4~0.6g
脂質:0g
炭水化物:3.0g(糖質:2.9g 食物繊維:0~0.2g)
食塩相当量:0~0.02g
両者を比較するとこんな感じになります。
プレミアムモルツ | 香るエール | |
エネルギー | 47kcal | 46kcal |
たんぱく質 | 0.4~0.6g | 0.4~0.6g |
脂質 | 0g | 0g |
炭水化物 | 3.7g | 3.0g |
糖質 | 3.6g | 2.9g |
食物繊維 | 0~0.2g | 0~0.2g |
食塩相当量 | 0~0.02 | 0~0.02g |
それほど大きな違いはないようですが、カロリーはプレミアムモルツの方が若干高め。また炭水化物(糖質)もプレミアムモルツの方が高めですね。
味の感想と評価
今回は2019年12月に新しく生まれ変わったプレミアムモルツと香るエールを飲んでみましたので、その感想も踏まえてご紹介します。
まずはプレミアムモルツの味からご紹介します。
泡立ちですが「神泡」と称するだけあって、文句の付けようのないほどキメが細かくクリーミーな泡立ちです。泡が消えにくいので炭酸と風味を閉じ込めてくれます。
味わいは相変わらずうまい!
リニューアル前のものよりコクと旨味が強くなった感じがします。キレと爽快感もあり、余韻に来る苦味も心地よい。やや甘味も感じられ上品な味わいは健在です。
評価
おすすめ度
旨味 |
苦味 |
甘味 |
渋味 |
酸味 |
のどごし |
キレ |
コク |
華やかさ |
泡立ちの良さ |
飲みやすさ |
炭酸の強さ |
続いて香るエールの感想です。
香るエールの泡立ちも最高ですね。
自宅でもお店のようなこんな泡を楽しめるのはプレミアムモルツだけです。
エールらしい華やかでフルーティな風味が感じられます。ただ味わいはプレミアムモルツよりもスッキリとした印象。エールタイプには苦味や渋味が強いものもありますが、それらは抑えられておりかなり飲みやすく仕上がっています。
評価
おすすめ度
旨味 |
苦味 |
甘味 |
渋味 |
酸味 |
のどごし |
キレ |
コク |
華やかさ |
泡立ちの良さ |
飲みやすさ |
炭酸の強さ |
両者の違いとしてはやはり華やかさ。香るエールの方がフルーティな味わいがあります。しかし癖はそんなになく、プレミアムモルツらしいエールタイプだなと思います。
プレミアムモルツの注ぎ方
専門家ではないのでちょっとおこがましい気もしますが、自分なりのプレミアムモルツの注ぎ方をご紹介します。
まず缶ビールは冷え具合や状態で泡立ちがかなり違います。例えば買ってきたばかりの缶ビールを注ぐと振動などの衝撃によって泡だらけになってしまう可能性があります。なので注ぐ時は勢い良く注ぐのではなく、ちょっと様子を見ながら注ぐのがおすすめ。
サントリーの公式サイトでは最初はグラスを立てたまま注ぎ、泡を作るやり方ですが、自分は傾けて注いでしまいます。プレミアムモルツの泡立ちはかなり良いのでこれでも十分泡立ちますし、グラスを立てたまま注ぐとどうしても気泡が大きくなりキメが粗くなってクリーミーな泡ができにくいからです。
そして泡の様子を見ながら徐々にグラスを立てながらグラスと泡の隙間からビールを注ぎます。この時、泡立ちがもう少し欲しいなと思ったら、グラスを立てて缶の位置を高くして注ぐと泡立ちが良くなります。
一応7:3の割合がベストと言われていますが、気持ち泡を多めにするイメージで注ぐと後で調整しやすいですよ。
プレミアムモルツに合うおつまみ
ビールは合わない料理の方が少ないというほどの万能型の飲み物です。唐揚げなどの揚げ物とも最高に合いますよね。
ただプレミアムモルツはジャンクっぽい感じのものとはちょっと合わないかなと思います。個人的におすすめなのは和食。いつもなら買わないような刺身など、ちょっと贅沢な食材と合わせたいビールですね。
また塩辛やあん肝ポン酢など日本酒に合いそうな珍味系のおつまみにも合うと思います。自分が初めてお店でプレミアムモルツを飲んだのはとある小料理屋さん。和食を中心とした繊細なお料理を出すお店でした。そのお店で飲んだプレミアムモルツは「これがビール!?」と驚くほど美味かったです。そして料理ともお互いを引き立てあって、めちゃくちゃ合うんです。フランス料理には欠かせないワインのような感じ。
ビールって置いていない店はないほどの国民的アルコールですが、お刺身や和食系のものだとビールはちょっと抵抗があるという人もいるかと思います。でもプレミアムモルツは和食にも合うビールです。もしお寿司屋さんなどでビールの銘柄が選べるなら自分は間違いなくプレミアムモルツを選びます。
次に「香るエール」ですが、通常のエールタイプのビールは少し癖があって、独特の華やかな風味があります。なので一般的なエールタイプのビールは和食には向かないかなと思いますが、香るエールはその癖が抑えられているので和食にも合いそう。個人的には燻製ものなど、少し癖のあるものにもフルーティな風味がマッチしそうだなと感じました。いぶりがっこクリームチーズなど和洋折衷で組み合わせても面白そうです。